辻田歯科医院

幸せな考え方?


DR.辻田の非常識な健康法則    Vol.26

 ちょっと気になった話を書きます。

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  メキシコの田舎町。海岸に小さなボートが停泊していた。

メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。その魚はなんとも活きがいい。それを見たアメリカ人旅行者は、「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」と尋ねた。

 すると漁師は「そんなに長い時間じゃないよ」と答えた。
旅行者が「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」と言うと、漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。
「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」と旅行者が聞くと、漁師は、

「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、女房とシエスタして。夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって…ああ、これでもう一日終わりだね」

すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみにアドバイスしよう。いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。それであまった魚は売る。お金が貯まったら大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。やがて大漁船団ができるまでね。

そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキソコシティに引っ越し、ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。
きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」

漁師は尋ねた。

「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「二〇年、いやおそらく二五年でそこまでいくね」
「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」と旅行者はにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」
「それで?」
「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て、日中は釣りをしたり、子どもと遊んだり、奥さんと昼寝して過ごして、夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。どうだい。すばらしいだろう」


幸せって何でしょう。あなたは漁師のタイプでしょうか。旅行者のタイプでしょうか。今の時代、旅行者の方が現実的ではあります。しかし、漁師の方が人間らしい生き方に思えます。ちょっと考えさせられるお話でした。

以前の私であれば、幸せは十人十色でいろんな考えがあると思っていました。
金持ちで、順風満帆に仕事に打ち込んでいる人も、ある意味幸せなのかもしれません。貧乏でも愛にあふれた生活が幸せなのかもしれません。

心理学を勉強していくと、幸せとはそんな単純な物ではないことが分かってきました。


あなたは幸せですか。幸せかどうかを簡単に見分ける方法があります。


あなたは「幸せになりたい」と思っていますか。


思っている人。基本的にあなたは不幸な考え方をしています。

普通の考えでは「幸せになりたい」と思うのは当然かもしれません。しかし、「幸せになりたい」と思うことは、今現在、自分は不幸だと潜在意識では思っているのです。だから、不幸なのです。

幸せな人の考え方は、「今現在が幸せである」ということです。

人は自分が恵まれている状況にあるとき、その状況が恵まれているということになかなか気づくことができません。

たとえば、朝、起きて、食事をして、家族と団らんをすること。何気ない日々ですが、物が見えることがすばらしいことであり、食事をできることがすばらしいことであり、話をできることがすばらしいことなのです。そういった、普通にできることにまず感謝できなければいけない。

人生にはいろんな事が起きます。運命というべき物でしょう。運命は実は潜在意識がひっぱてくる物です。そして、チャンスという形で我々の目の前に現れてきます。
成功する人は、そのチャンスを見逃さずにつかむ人です。成功しない人は、そのチャンスがあっても気づかずに見逃してしまう人です。潜在意識の勉強をしていると、その潜在意識の力に驚かされます。

人生にはいろんな事があります。嫌なこともあったでしょう。嫌なことは、実は潜在意識が引き寄せた物だと思っています。だから、嫌なことがあっても、それが自分の成長の糧となっていることが多いと思いませんか。

考え方一つで運命は変わってきます。常に自分が幸せであることを意識すると、世界が変わってきます。その幸せを他人にもあげたくなってきませんか。

人と人とは潜在意識でつながりあっています。これはフロイトに並んで有名なスイスの心理学者であるカール・グスタフ・ユングが説明しています。潜在意識よりももっと深い部分、集合無意識という、個人の経験の領域を超えた人類に共通の無意識領域があると言うことらしいです。

難しいことを言ってしまいました。簡単に言うと、人と人とはつながりあっていると言うことです。

不幸な考え方をする人は、基本的には自分のことしか考えません。他人を蹴落としてのし上がっていくことを考えています。しかし、そういった考えは、自分の潜在意識を傷つけることになります。

自分を幸せにしたいなら、他人を幸せにすること。自分を犠牲にして他人を幸せにしろと言っているのではありません。他人の幸せが自分の幸せになるという考え方です。

言葉で表現するのは大変難しいのですが、人と人とはつながりあっています。
一人だけ幸せになろうとしても、他人は無意識のうちに引きずり下ろそうとします。これは、潜在意識の現状維持メカニズムによる物です。

一人だけでは幸せになれないのです。みんなで上がっていくようにしなければ幸せにはなれないと思っています。

ある程度、心理学の勉強をした人にしか分からない文章になったかもしれません。
今まで多くの自己啓発の本を読みました。確かに、心を奮い立たせられるのですが、あくまでも一時的な物で、自分を変えるという物はなかなかありませんでした。

自己啓発の本は、成功した人の考えを書いた本であり、我々成功していない人には受け入れがたい溝があります。その溝となる物が潜在意識だと思います。

自己啓発の本では、「目標を明確にしろ」とか、「紙に書け」とか、「とにかく行動しろ」とか書いていますが、成功していない人は行動することができないのです。

行動できるようになるには潜在意識を動かす術を知らなければいけないのです。

これ以上の話は、後日するかもしれません。


 
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