辻田歯科医院

歯を残すために


歯科のここ10年の進歩は著しい。しかし、保険制度がその進歩に追いついていない。

普通に保険で行うとすれば抜歯しか考えられない治療もやり方によっては残せるようになってきた。

歯を抜くと、今度は隣の歯を削ってブリッジで繋ぐことになる。しかし、それが一生持つかというと患者さんの口の中の環境にもよるが、一生持つことはまずない。データ上では約7〜8年と言われている。

保険のシステムでは補綴物(かぶせものなど)は補綴物管理料という項目が算定されて2年間の作り直しができなくなっている。
そのため、2年残る可能性の少ないものはできるだけ抜いて治療した方が安全と言うことになる。

保険でできるだけ長く持つようにすればするほど歯を抜かなければならないというジレンマが起きてくる。

隣の歯も残し、しっかりと咬めるようにしようとすれば、抜いてインプラントを植える方法もある。他の使っていない歯を抜いて移植するという方法もある。

たとえ、歯が割れていたとしても残す方法もある。わざと抜いて、外で引っ付けてもう一度植える方法(再植)。プラスチックで固めて土台をたてていく方法。これらの方法は確実に残るという方法ではない。ひょっとしたら1年も持たないかもしれない。4〜5年持つかもしれない。ただ、その間でも残れば隣の歯は健全のまま残すことができる。

治療の手技を多く知っていれば残せる可能性もかなり多くなる。

ドクターが頑張っても患者自身も頑張ってもらわなければ、せっかく残しても残らないことがある。
そういった点で、歯周病治療と予防処置、PMTC、フッ素塗布もすごく大事なことだと思う。

 
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